ソ連の時計
時計のお話
最近、なんか『ソ連のデザイン』が気になります。
ダサいと思えるくらい無骨なんですが、時たま時計やトラック・自動車・戦闘機・戦車なんかで、かっこいいと思えるものも現れてきます。
この無骨さが、最近気に入っているんです。
戦車は手に入りませんので、腕時計で満足してる次第です。
ま、やると言われても、戦車より腕時計を選びますがね。
ソビエト連邦時代なので、中身は正確にはわかりませんが、どんな人がどんな依頼をされてどう思ってデザインしてたんだろう……
それがすっごく気になるんです。
ロシアのものは最近目にしますが、あくまでもお土産。マトリョーシカなんかに代表されます。
この写真の時計は、『ボストーク社』の時計です。
ボストーク社は、ソ連政府のお抱え納入業社で、主に軍用時計を作っていました。
正式な政府納入商品には『33ka3 MO CCCP(ソビエト国防省正式発注品)』と書かれているんですが、ソ連崩壊近くなるとチェックが甘くなり、お土産もたくさん作られるようになりました。
私の持ってるボストーク時計は二個は政府納入品で、三つはお土産品。
政府納入品ですが、国防省正式発注品ではありません。
左四つは『ソ連製』で一番右のは『ロシア製』です。
一番左はお土産品で、自動巻。『KGB』とはいっています。
KGBはご存知『ソビエト連邦国家保安委員会』。情報機関・秘密警察です。
なのに時計には『KGB』とある。
間違いなくお土産です。
そりゃそうですよね。ソ連のスパイやKGB職員が、「私はKGBのものです!』って宣伝しているようなものです。(笑)ありえません。
左二つは自動巻で、後の三つは手巻き。
正確さは、手巻きは1日に2分進みます(笑)
自動巻は、1日の誤差が1分以内なんですが、KGBの時計は、1日の誤差がわずか5秒!さすがソビエト連邦国家保安委員会です!!(笑)
しかも買った後、目一杯ゼンマイ巻いて、止まるまで待ち、1日置いてまた目一杯ゼンマイ巻いて止まるまで待つ。
この作業を二、三回繰り返します。
つまり、『慣らし運転』をする時計なんです!!
なんちゅー時計なんでしょ!
でもまだ足りないのか、三個は1日に2分狂うんです。。。
さて、このボストークの時計、ボストーク社の工場では、うら若きお姉さんたちがこつこつ時計を組み立てていたんです。
時計職人?ではなさそうですよね。
そりゃー正確さはクォーツの時計には、ゼンマイは勝てません。
皆さんも1日に2分も進む時計にはイラつきますでしょう。
私も遠出や新幹線に乗るときには、電波時計をしています(10万年に1秒狂うけど)。
でもね、最近の仕事も含めて、前よりはスローライフなんです。
1分2分差が出ることなんか全く問題ない生活なんです。移動も車がほとんどだし。車は渋滞で10分20分くらい、平気で誤差が出るでしょ。
車メインの人は、時間にルーズな人も多い(笑)。正確な時間にしようと思えば、早めに行動を開始するでしょ。
私も今の仕事なんか早めに行動して、数分の狂いなんか影響ない生活になったので、腕時計は、正確さよりもデザイン気に入りをメインにしてるのが、ここ最近です。
時計なんか、ソビエト連邦製でお土産で十分。
スローライフが許される方、大きく時間を守らないのはいけませんが、数分くらい影響のない生き方って、結構楽ですよ。
いかがですか?